文化祭。中高生にとって一大イベントだ。
しかし、彼らだけのイベントというわけでもない。
卒業生にとっても、母校に帰ることのできる日なのだ。
先生や同級生に会うことができるのも楽しみの一つだが、自分が過ごしてきた日々を思い返すことができる。
まだ、ついこの間卒業したばかりなのだと思っていても、いざ母校に帰ると、やはりもう自分がいるべき場所でない。
ゲストという立場なのだ。妙に寂しい感じがする。
なんだか、文化祭の企画で忙しそうに走り回っいる在校生が羨ましく思えた。
一度でいいから、皆と普通に授業を受けて、普通にお弁当を食べるような平凡な生活をしてみたいな。
でも、そうもいかない。
もう戻らない高校生活。もう戻らない過去。
将来、今過ごしている日々を振り返って、またあの頃に戻りたいと思えるような充実した日々を送りたい。
そう、一日一日を無駄にしてはいけないのだ。あっという間に過ぎてしまうんだ。
その一瞬に力を出し切らないとね。後悔をするのはいやだ。